
ヘナとは
ヘナ-Hennaとは、日本語で「指甲花」・英語で"Camphire"、正式な学名を"Lawsonia inermis"という植物のペルシャ語名です。
ヘナはアジア, オーストラリア, アフリカ大陸の地中海沿岸が原産の潅木で、暑い気候で育ちます。収穫したヘナの葉を乾燥して粉にし、さらにペースト状にしたもので、髪や皮膚を染めることができます (タンパク質に反応して発色するローソンという物質が含まれているため)。また、殺菌や体温を下げる効果のある薬草として、解熱や火傷, 傷の治療、砂漠での肌の保護などに広く使われてきました
メンディ/ヘナタトゥーとは
メンディの歴史
メンディとは、ヒンドゥー語で「ヘナで肌に模様を描く」「ヘナで肌を染めたあと」という意味です (ヘナそのものを指す場合もあります)。
日本ではあまりなじみのないメンディですが、歴史は大変古く、人類最古の化粧ともいわれています。その起源には諸説ありますが、もっとも古く見積もってBC7000年ころにはトルコ〜中東にかけての地域で行われていたのではないか、と考えられています (旧約聖書の『雅歌』にはヘナに関する記述があります)。また、古代エジプトのファラオも、ヘナを髪や爪を染めるために使っていたといわれています)
その後BC1000年代には、エジプトやモロッコ・チュニジアなどの北アフリカ、ギリシャやキプロスなどの地中海沿岸地域に伝わり、時代がすすむにつれて多くの国々に広まっていきました。
現在もっともメンディが盛んに行われている国の1つ、インドのアジャンタの石窟には、BC400年ころに描かれた、手足にメンディを施したひとびとの壁画が残っています。(インドでメンディが盛んに行われるようになったのは、AD16世紀にはじまるムガール朝に入ってからと考えられ、タージ・マハルに眠る王妃ムムターズ・マハルの肖像画は、手にメンディを施しています)
![]()
メンディのミステリアスな役割
文化としてメンディが伝えられているイスラム・ヒンドゥー圏では、これを施すのは女性だけです。そして、女性たちはメンディに特別な思いを込めてきました。
それには 「メンディがたんなる化粧としてだけでなく、女性にとって特別なとき‐結婚や妊娠中(7ヶ月や8ヶ月目), 出産, 祈祷の際に、呪術的な意味合いも持って施されてきたから」という理由があります。メンディには「魔除けとして、邪悪なもの, 超自然的なものから身を守る力」 「運命のいらずらを避ける力」「幸運を呼ぶ力」「魂を豊かにする力」 などがあると信じられ、祝福のシンボルとされているのです。
インドには、AD1700年ころに確立されたと考えられている、有名な結婚の際のメンディの儀式 "Night of the Henna-Mehndi Rat"があります。この儀式では、家族や親戚, 友人の女性たちが花嫁の手と足(甲・裏とも)に、縁起が良いとされるレース模様をびっしり描いていきます (現在はプロのアーティストが呼ばれることもあるそうです)。結婚後、花嫁はメンディが消えるまで一切家事をしません。そして「メンディの色が濃く、長持ちするほど、カップルの愛が長続きする。家が繁栄する」 と信じられています。
モロッコでは、妊娠7ヶ月目の妊婦が "Hannayas" と呼ばれるメンディの儀式を行い、出産の際に母体と赤ちゃんを守るための模様を足首に描きます。
このように、イスラム・ヒンドゥー文化圏では、女性のお祝いごととメンディとが密接に結びついています。反対に、未亡人となった女性は祝福のシンボルであるメンディから遠ざけられます。悲しいことに、北アフリカでは夫の死後4ヶ月、インドではその後一生、メンディを施すことは許されません。
![]()
メンディのいま
現在でも、中東・北アフリカ・中央アジアなどさまざまな地域で、伝統文化としてメンディが息づいています。そして、メンディの文化を持たない欧米でも、手軽なテンポラリータトゥー、エキゾチックなボディーアートとして、男女を問わず人気があります。
アメリカでは、1990年代にマドンナやスーパーモデルのナオミ・キャンベルがメンディを施した肌でマスコミに登場し、一気に社会での認知度が高まりました。
メンディはいま、時代, 性別, 文化や歴史を超えて、多くのひとびとに愛されています。
メンディを描くには
メンディ/ ヘナタトゥーでは、ヘナパウダーからペーストを作り、専用のアプリケーターやキャロットバッグ(生クリームをしぼり出すときのビニール袋)を使って肌に模様を描いていきます。模様を描きおわったら、メンディ部分をペーストをつけたまま保護し、2˜48時間おきます。この間にヘナが肌を染色するのです。その後ペーストを落とします。 (この時水で洗い流すのは厳禁! です。爪やペーパータオルのようなものでかき落としてください)
ヘナによって染められた模様は、ペーストを落としてから約48時間後(手のひらは数時間後)にいちばん濃くなります。個人差がありますがメンディは約7˜14日もち、その間にだんだん色が薄くなっていきます (メンディを長持ちさせるためには、できるだけ水を避けてください)。
また、メンディは、描く部位の皮膚の厚さ, ペーストの放置時間, 気温, 体温などによって発色が変わり、かなりの個人差があります。たとえ同じ部位にメンディを描いたとしても、人によってそれぞれ違う発色をします。メンディの発色の違いをわかりやすくするためカラーチャートを用意いたしましたが、上記のような理由により これはあくまでも目安にすぎません。 かならずしもチャートのような濃さで発色するとは限りませんし、より濃く発色する場合もありますので、あらかじめご了承ください。









